Tsunamayo Blog

30歳から始めるド根性奮闘ブログ

シャミナミ

昨日はなかなか寝付けなかった。

土日で夜更かししてしまったせいか、生活リズムが崩れていた。

 

「寝れないなら仕方ないな…眠くなるまでなんかしてるか…」

 

部屋の明かりをつけ、Youtubeを開く。

 

その中でこんな曲を見つけた。

www.youtube.com

ゲス極の川谷絵音やtricotのイッキュウが在籍するバンド、ジェニーハイ。

曲名は「シャミナミ」

 

「新曲出したんやな~…聞いてみるか…」

 

と、そんな気持ちで再生ボタンを押した。

 

しかし、曲が流れた瞬間、

とてつもない衝撃が走った。

 

まず、ボーカルのイッキュウの歌い出しで始まるのだが、

…歌詞が自分の心へ痛烈に突き刺さった。

 

その歌詞にはこう書かれていた。

 

 

とんでもない恋だった

とっても良い恋だった

泣けど笑えど最後でした

さっぱりなくなってった

泣いても戻らなかった

次もこんなに想えるでしょうか

 

 

「俺が今思っている気持ち…そのまんまやないか…」

 

 

あまりに今の自分に当てはまり過ぎて、ビックリしたのと同時に、

その歌詞がキッカケで一気に悲しみがまた溢れ出した。

 

そのときは楽しかった頃の思い出より、

悲しみの日々の方が色濃く浮かび上がってきた。

彼女と離れてから、過ごす日々は本当に一日がとても長く感じた。

 

でも、そうやって彼女との思い出を振り返り、強く思う事があった。

 

 

「俺は加害者なんだ。」

 

 

そうだ。

悲しい、辛い、と叫んでも、

そうなったのは、紛れもなく、自分のせいなのだ。

俺が彼女のことをもっと考えれていれば、

こんなことにはならなかったんだ。

 

自分が相手の気持ちを考えられない人間だった。

一番大切な人を大切に扱わず、傷つけてしまった。

あってはならないことだ。

 

 

彼女との別れの引き金となったあの日が蘇る。

 

そこで言ってしまった言葉。

 

「今この状態で結婚したくない」

 

もし、この言葉を彼女が自分に告げたなら…と考える。

 

「……」

 

「そら辛すぎるわ…」

 

自分だってそんな言葉を言われたら嫌なくせに、

何でそんなことが分からなかったのか。

 

 

自分が、許せない。

 

 

七年。

七年だ。

七年間待ってくれていたんだ。

彼女の七年間を奪ってしまったんだ。

 

 

「そんなヤツの顔なんて…見たくもなくなるよな…」

 

 

そう思った次の瞬間、

彼女の1人暮らしの部屋から、自分の私物を持って帰ったあの日を思い出していた。

 

別れる前、

「別れるか別れないかを考えたい」との彼女の要望で、

長期間距離を開けることを決めた後、私物を持って帰る日程を決め、臨んだ当日。

 

「どんな顔して会えばいいんだろ…」

 

と悩んでいた。

 

「彼女と何話せばいいかな……んー…考えてもわからんなぁ…」

 

答えを出せぬまま、彼女の家にたどり着く。

 

インターホンを鳴らし彼女の部屋を開ける。

 

 

「…あ……」

 

 

玄関には既に自分の私物が全て並べられていた。

 

本や、服、スピーカーなど全てまとめられていた。

 

少し自分の中の時が止まってしまっていた。

あわてて、

 

「片付けてくれてたんや…ごめんな…」

 

そういって彼女の部屋を見渡す。

 

洗面所を見ると、自分の使っていた歯ブラシはもう無かった。

 

「そうだよな…こうなるくらいまでに、彼女を傷つけてしまったんだ…」

 

と思ったその瞬間に、失望感が現実のものとなり襲ってきた。

 

急に体が重くなる。

足を動かすのがやっとだった。

 

私物を彼女の車に乗せ、自分の実家まで運ぶ準備を終える。

彼女が運転席に、自分は助手席に乗った。

エンジンがかかり、出発する。

 

「考え…今どんな感じ…?」

 

目線を窓に向けながら、そう彼女に聞いた。

 

その日はまだ距離を空けることが決まってから数日しか経ってなかったのだが、

聞かずにはいられなかった。

 

「出来るだけ考えないようにしてるかな…」

 

と彼女が言う。

 

「そっか……」

 

と答えた後、

 

「俺、考えが出るまで…何年でも待つから。何十年でも待つ。」

 

そう言うとと彼女が、少し笑いながら、

 

「何十年は…悪いよ…」

 

と言っていた。

 

すぐに僕の実家に着き、荷物を全て家に降ろす。

 

「それじゃ…」

 

と彼女はうっすら涙を浮かべていた。

その瞬間に自分も気持ちを抑えられず、

 

「…ちょっとだけ、触れていい?」

 

と彼女の両ほほに両手で触れた。

これで彼女に触れるのは最後になるかもしれない。

これで彼女と話せるのは最後になるかもしれない。

これで、最後…!!

最後かもしれないんだ!!!

 

 

涙が溢れそうになる。

でも、必死で堪える。

 

両手をひっこめ、

 

 

「…あんな、手紙書いたし、読んでくれへん?」

 

 

とポケットに入れていた手紙を彼女へ渡す。

いつ渡そうか考えていて、すっかり汗で湿ってしまっていた、そんな手紙。

 

 

彼女への思いを全てそこに綴った。

寝ないで一晩中考えた。

この手紙で自分の思いが伝わらないのならば、諦めようと、

全てを懸けて書いた。

 

 

その手紙を彼女は

 

「ありがとう。」

 

と言って受け取ってくれた。

 

彼女が車に乗り、家を離れていく。

ただただ、見えなくなるまで彼女を見送っていた。

 

この曲を聴いて、そんな日のことを思い出した。

 

あれからもう一ヵ月以上たったが、まだこんなにも鮮明に覚えている。

 

 

こうなってしまった元凶は自分なんだ。

自分は加害者なんだ。

そのことを絶対忘れてはいけない。

 

こんな悲しいことをもう二度と繰り返さないために。

 

 

この曲は、自分の決意をさらに強くさせてくれた、そんな曲だった。