Tsunamayo Blog

30歳から始めるド根性奮闘ブログ

感謝の先に

時計を見る。

2019年08月15日の23時。

 

「明日は別れた彼女の誕生日だなぁ…」

 

そんなことを考えながら23時を迎える。

 

彼女の誕生日が自分の知らぬ間に過ぎてしまうことが許せなかったので、

08月16日の0時ピッタリにアラームを設定する。

 

08月16日。

幸せに過ごせていた…かもしれない日。

彼女と2人で、彼女の誕生日プレゼントを一緒に買いに行く。

今頃そんな計画を立てて浮き足立っていたはずだった。

 

それはもう二度と訪れない日。

 

そう思うと少し気持ちが曇る。

 

台風の影響か、雨音が激しさを増していく。

 

 

彼女が生まれた日だ…

 

 

「誕生日おめでとう」

 

 

そう彼女に伝えたい。

 

だけど、

自分が振った相手からの言葉なんて、

彼女は望んではいないだろう…

 

 

でもホント彼女に感謝している。

 

こういう形で終わってしまったけれど、

 

彼女は本当に色んなことを僕に教えてくれた。

 

行ったことのない所があれば

「いってみよう」と。

やったことないことがあれば

「やってみよう」と。

 

そうやって、自分が何かしたいときには必ず彼女が力を貸してくれていた。

そうやっていろんなことを経験して、知っていった。

 

…そして最後には、

 

 

「誰かを失う悲しさ」を教えてくれた。

 

 

こんなにも自分を変えた、

 

この悲しさを、

 

今は知れてよかったと感謝してる。

 

 

 

まだ乗り越えられてはいないけれど、

 

着実に、前を向いて歩き出せるようになってきた。

 

だからこそ、生まれてきてくれて、ありがとうと伝えたい。

 

08月16日が近づくにつれ、胸の鼓動が早くなる。

緊張しているのがわかる。

 

「伝えるならラインで送るか…」

 

「でも…どうする…送るか送らないか…どうする?」

 

迷いが生じる…

 

彼女と別れた後、

別れた相手の誕生日に「おめでとう」と伝えることについて、一度友達に相談して言われた言葉が蘇る。

 

「自分が望む結果にはならないと思うで。」

 

その言葉が頭を過る…

 

あーでもないこーでもないと、グルグル考えをめぐらしているうちに、

 

設定していたスマホのアラームが鳴る。

 

 

2019年08月16日(金) 0:00

 

 

ついに彼女の誕生日を迎えた。

もう考えている時間は無い。

 

「あーもう!送りたいなら送ればええやん!気持ち悪がられたって、関係ない!」

 

「俺はおめでとうって伝えたいんや!!!」

 

スマホを手に取りラインを開く。

 

 

「誕生日おめでとう。」

 

 

そう打ち込み、送信する。

 

「よし、これでええんや!」

 

と、自分を無理やり肯定させようとするが、不安は一向に拭えない。

 

「このまま既読つかなかったら…」

 

「既読スルーされるかも…」

 

悪い考えしか思い浮かばない。

何も考えたくないのに。

さっきまであんなに眠たかったのに、眠気なんて一気に吹っ飛んでしまった。

 

 

気になり過ぎて、

 

「…俺、ちゃんと送ったよな!?」

 

と何度も既読のつかないラインを見直していた。

 

「本当に女々しい奴だ。」

 

もう一人の自分が言う。

まさにその通りだった。

恥ずかしさで何も反論できない自分がいた。

 

結局、睡魔が襲ってきたのは朝四時頃だった。

 

 

 

 

 

昼頃に目が覚めた。

頭がボーっとしていた。

 

「えーと、昨日は何してたっけ…」

 

「はっ!ライン!!」

 

そう言いながら、何処に置いたか分からないスマホを両手でバタバタと必死に探す。

見つけたスマホを手に取り画面を開く。

 

ラインに新着が1件だけ入っていた。

直ぐにラインを開くと

 

 

「ありがとう。」

 

 

と彼女から返事が来ていた。

彼女がどんな気持ちで返信したのかは自分にはわからない。

だけど、返事をもらえたことが、ただただ嬉しかった。

 

「ちゃんと届いててよかった…」

 

そう安堵したのも束の間、

一気に寂しさが溢れてきた。

久しぶりに連絡を取ってしまったからだろうか。

 

すぐに「返事ありがとう…」と、

ラインを返したくなったが、グッと堪える。

ここでラインを続けちゃいけないことは分かっていた。

そんなことをしたら、また前の自分に逆戻りだ。

なにより、絶対彼女もそれを望んではいない。

 

「ここで負けたらダメだろ!」

 

そう自分に言い聞かし、スマホから手を離し、布団にくるまる。

しかし、どうしてもラインを見てしまう。

 

「ダメだ…」

 

 「しゃあないな…トークを削除しよう…」

 

今の自分にはその方法しか思いつかなかった。

自分の心に蓋をして、トークを削除した。

 

「…もう彼女はいないんだ。…いないんだ。」

 

そう自分に何度も言い聞かせながら。

 

 

 

その後、徐々に落ち着きを取り戻していった。

 

「気になるものを無理やり消すことは、案外間違ってなかったのかも…」

 

そう思うと同時に、

 

「気軽にラインすらできない…そんな関係になっちゃったのかな…」

 

と思うと少し悲しくなった。

 

でも、涙が出ることは無かった。

 

自分の変化をまた実感する。

彼女に対する気持ちが徐々に薄まる感覚。

いい気分でも悪い気分でもない。

自然にそうなるべくしてなっていくだけ。

それだけだ。

 

ただ思うのは、

7年間という日々を一緒に過せたということは、

やっぱり共感する部分が多かったからだと思う。

 

価値観は凄い近いものがあったし、一緒にいて凄く楽しかった。

 

だから、もし叶うのであれば、

 

いつかまた、

 

友達として、

 

楽しく話が出来るようになれたらいいな。

 

そんな日を夢見て、また一日、頑張って行こう。